ある日の海と私


こんにちは。 はなです。




お父さんが出張で帰国中だったある日曜のことでした。

お父さんとemihana が車で出かけると聞いたので



私はちょっとお昼寝〜



だけど、今の私はとても身軽ですから


あのふたり、どこへ行ったのかな〜って

ひょいっと上に昇って、ちゃんとチェックしてたんです。



そしたら、まだあまり混んでいない高速を車はバビュ〜ンと走って行き

着いたところは・・・



港町・横浜!




観光スポットとして有名な「赤レンガパーク」(旧・横浜税関新港埠頭倉庫)



実は、この近くのオシャレなショッピング・モール


「マリン&ウォーク」で



どなたかとランチする予定があったらしいですね。


で・・・同じ神奈川でも田舎方面から、えっちらおっちら出かけて行く上に

ふたりともかなりのせっかちと来てますから

予定の時間より、小一時間も早く到着してしまったようでした。

ただ、おりしもその日は陽射し柔らか、埠頭独特の風もあまりなく

いかにもお散歩日和。


「それじゃ、少しぶらぶらして時間を潰そうか」


そんなこんなで・・・



マドロス風お父さん(ポージングがいま一つ・・・)



停泊中の「あきつしま」(6500トン)



そぞろ歩くオバサン




ひと通り、ぶらぶらしてみても、まだ時間があったみたい。



そこで、横浜海上保安部の隣に一見さりげなく控える建物


工作船資料館」に目を留めました。




「まぁ、無料って書いてあるし、みんな入ってるから入ってみようか」

「そうねぇ・・・いいけど、工作って、船の模型とかあるのかしらん?」


成り行きと言うか、場当たり的と言うか

ほんの軽い〜い気持ちで、ガラスの引き戸を開けまして

一歩足を踏み入れてみたら、あら、びっくり!



広くはない館内には、どど〜んと赤錆だらけの大きな船が!!






一枚の写真には収まり切れないほど大きな船ですよ。


「ええっ?・・・工作船って・・・模型じゃなくて、あっちの
 ・・・例の?・・・危ない方の・・・?」

と何とか思考を立て直そうと、目の前に掛けてあった日本列島の地図に

目を遣った、その時!


「ご説明しましょう!」

グッドタイミングで、突然傍らに現れた一人の紳士。

どうやら、説明係りのおじ様のようで、おそらくは元海の男に違いない。

有無を言わせぬ静かな圧に押され、思わずふたり揃って

「はい・・・お願いします」

かろうじて小声で返すだけ。


(emihana いつもの威勢はどこ行ったの〜?)

俄然愉快になった私はすぐ側でこっそり吹き出してしまいました。



おじ様曰く・・・

排他的経済水域、いわゆる200海里は領土ではありませんから
 ほかの国の船も航行できますが、その中の海洋資源などは
 排他的管轄権を持ち・・・」


私には難しかったけど、ちょっと驚いたのは

日本はこんなに狭い国ですが、その排他的・・・ナントカ水域を

ぜ〜んぶ含めたら、世界で一番広い国になるんですって!

(違ったかな・・・?とにかく、すご〜く大きくなるそうです)


「へぇ〜・・・ほう〜・・・ふむ〜・・・」

ひたすら感心したように唸りつつ

「ありがとうございました!よくわかりました!」

おじ様にお礼を言って、奥へと歩を進めたところ

船の周りをぐるりと取り巻くように陳列された展示品の数々!


潜水服にレーダーや無線機のようなもの

ピストルにマシンガン!所狭しと置かれていたのは

何だか物騒なものばかり・・・船倉には隠し部屋まで!

横から覗いていた私もさすがに怖くなって来ちゃいましたよ。


そして赤茶けた船の横腹には弾痕がいくつも。



よくわかりました。


海上保安庁は日夜闘っている!



決して茶化している訳でなく、日本は四方を海に囲まれてますから

海岸線での防衛が命綱なんだな〜と、私にだって理解できたんです。

海保の皆さん、本当にご苦労様です!



建物の外に出たら、そこにはたくさんの人たちが

大人も子どもも、日本人も外国からの人たちも

犬も鳩もカラスも、みんな暖かなお日様の下で

思い思いに休日の時間を楽しんでいます。



この日の海は凪いでました。とても穏やかでした。

だけど、時には嵐で荒れ狂ったり、色んな怖いものを運んで来たり

地震の時にはあの恐ろしい津波の牙をむくこともあります。


この国に暮らす人も生き物もみんな、大昔から、そう言う定めに

何度も何度も翻弄され痛め付けられて来たんでしょう。


だけど、その度に何とか立ち上がっては、もう一度

大事なものを築き直して、そうやって生きて来たんですね。



そんなことを思った数日後、emihana の肩の上に乗って観た映画の中で

主人公の女の子が描いた海の絵が、すごく心に残りました。


穏やかな内海には白いうさぎのようなさざ波がいくつも立って

お日様に映えて、すごくきれいでした。


私は水が怖かったから、一度も泳いだことはないし

何よりお風呂が嫌いでした。それでもやっぱり

海辺を歩くのは大好きで、よく波打ち際で

波が寄せるのを眺めて、飛びついたりして遊んだものでした。




海を見る私です。



海を見ると、人も犬も、色々感じて色々思うのです。

海は本当に不思議ですね。




おまけ:海上保安庁のマスコット・うみまるくん!
(左・うみまる潜水服 右・うみまる特警隊)