飛んで行った私

こんにちは。はなです。

昨日はビックリするくらいたくさんの方たちが

私にお言葉をかけてくださって、旅立ちも、悪いものではないなと

改めて感じています。

皆さん、本当にありがとうございます。

一つ一つのお言葉を大切に、あちらの世界に持って行くつもりです。


まだあとちょっとだけ、私からご報告があります。



お知らせしたとおり、私は今日の11時、新しい世界に向かって出発しました。


昨日の夜は、生まれて初めて花のベッドに寝かされて

お父さんとemihana と一緒に寝ました。


何だか、眠り姫みたいでしょ?姫は言い過ぎですけどね。

枕元には、お父さんが手作りのご飯を作って置いてくれました。

お父さんは最後まで、私にとっても優しかったです。


そんなお父さんは、隣に布団を敷いて寝ていたのですが

夜中に何度も体を擦ってくれたし

トイレに立ったemihana も同じように擦ってくれました。

私の体はもうすっかり冷たくなっていましたから

今まで撫でられた中で、一番、暖かかく感じました。



そして今朝は早くから、emihana が私を抱っこして、お父さんと二人

私のあんなことやこんなことを話していました。

人間は泣いたり笑ったり、忙しいですね。


それから、お父さんは私の朝ごはんをこしらえてくれて

残りは今日の旅立ちのお弁当にと、小さな袋に入れて

私に持たせる荷物の中にしまっていました。

他にも色々と準備をして、近所のemihana のパパ、ママにも挨拶を済ませ

家を出ましたが、時間よりだいぶ早くお寺さんに着いてしまったので

車の中で、emihana と少し内緒話をしていました。


その時、車に戻ったお父さんが私の顔を見て、どう見ても生きているみたいで

不思議だと驚いていたのですが、当たり前です。

この世界での最後の日なんですから、そりゃ、いい顔します。

私はここではベテランですよ。


その後、私は昨夜のベッドより、もっとたくさんの花に囲まれて


旅立ちの時を待ったのです。



今日はすごい風で時々雨も降って来て、あいにくの天気でした。

でも、全然、不安なんかありませんでした。

だって、何だかものすごく大勢の先輩たちやお友達が

「あの中国から帰って来た子がもうすぐ着くってさ!」と

手ぐすね引いて待っていてくれると、emihana から聞いていたからです。


それに、こちらの世界の皆さんが私の向う空に手を振って

送って下さると言うのも知っていましたから。


私はもう、どこも痛くも苦しくもなく、やる気満々なのです。


車の中で話した時、emihana から

「はなは、あっちでは新入りなんだから、ちゃんと初々しくして

 可愛がってもらうのよ。それから、はなちゃんって名前はすごく多いんだから

 大きな声で○○はなです!って、名字も言わなくちゃだめだからね」

なんて注意されて、そんなことわかってるのに、最後まで口うるさいな

そう思ったけれど、もうこれから先は心配をかけることもないし

これで心配のかけ納めかと思い直し、黙って聞いているふりをしてあげました。



11時になって、私は、1、2、 3、と空に向かって飛び出しましたよ。

大風に乗って、すいすいと飛んで行った私の姿は

地上から見えたでしょうか?


小さな入れ物に入った私はまたemihana に抱かれて、家に戻りました。

いちおう、ここが私の居場所らしいです。


でも、私は完全な自由を手に入れたので、いつだって、どこだって

あっちにも、こっちにも、出かけることができるのだそうです。


まだしばらくは、なるべくemihana とお父さんの近くにいることが

多いのかもしれません。


今度は私が二人を心配する番のようです。



こうして、私は無事に旅立ちました。

皆さん、こちらの世界での最後の応援、本当にありがとうございました。


これからも、時々遊びに来ますので、その時はどうぞよろしくお願いします。


ー始まりは終わりで、終わりは始まりー


 大好きな皆さんへ


                                はな