emihana 上海に立つ その4

こんにちは。 emihana です。



前回は怒涛の変身写真撮影「甘く見ていた私がバカだった編」に

お付き合いいただきありがとうございました。


臨場感押しつけ気味のemihana 渾身の(?)レポートに

「何だかこっちまでクタクタになったじゃないの」

そんな不満が聞こえたような気もしますが、思い切り聞こえないふりを決め込み

さらにご報告は続きますので、悪しからずご了承くださいませ。




車窓からの街並み。高層ビルが途切れたところには古い建物が。

洗濯物がはためいていますが、かえって汚れそう。




閑話休題

「それでは雑技団を観に行く前にお食事に行きましょう」

車に乗り込むや、またも張り切るY氏。

「雑技団は上海に4つあります。その中でもこれからご案内いたしますのは

時空の旅と言う出し物でストーリーがあって現代的な演出がなされ・・・」

「ほう・・・すごいですね」

「ははぁ、大したもんだ」

相槌を打ってはいましたが、正直、頭はすでにバースト状態。


朝から、大混雑の豫園→喧噪かますびしい小籠包屋→

→身も心もぐったりの変身写真撮影と

まるでツアー旅行並みの予定をこなして来ているのですから。

でも、弱音を吐いてはいられません。

あの変身写真スタジオもY氏の命を受けたS嬢が4軒も当って

ここは、と言う場所を探し出してくれていたのだそうです。

有難いことですよ、本当に。


そんなY氏のおもてなし全力投球をがっちり受け止めずしてどうする!
(どこまでも大げさ)




時間もないと言うことで、雑技団の公演会場への動線上にある

大型レストランへ。


ここでは一般的な上海料理をいただきました。


これは前菜。川エビと枝豆と謎の食べ物(すべて紹興酒漬け)



上海では紹興酒を効かせた料理が多いのですが

これが普通の中華とは一味違って大変結構でした。

上品な風味が加わって、脂っこさも感じなくなるようです。



で・・・これです。



さて、何でしょう?


1. しょうがの甘酢漬け

2. アヒルの舌

3. フライドチキンの食べ残し


何とも言えない微妙な角度から推察されますように

正解は2番の「アヒルの舌」でした。


軟骨っぽいコリコリした食感。

味は・・・鶏肉が苦手な方が食べたら「この臭みがいや!」と言うであろう

そんな独特の匂いがありましたね。


お父さんは絶対に怪しい食べ物は食べない主義なので

私はちゃんといただきましたよ。

でも、1個だけ・・・2個はムリでした。



これは甘く煮たレンコンの中にもち米が詰まっているもの。



広州では見たことありませんでしたが、これも美味しかった。

甘味もそれほど強くないので、違和感なくいただけました。




そして、この日の一番は本場の小籠包を僅差で抑えてこれ!



上海風焼きそば(すでにお父さんが一口食べてしまった)です。


ソース味でも塩味でもなく、やや甘めの中国醤油の味付けで

日本人の口にとても合うと思います。

麺は太目でもっちり。

広州では麺が細い焼きそばが主流でしたから

同じ焼きそばでも、ずいぶんと違うなぁと感じながら

舌鼓を打ちました。



「それではそろそろ行きましょうか」

やや慌ただしく食事を済ませ、またも車に乗り込んで雑技団へと向かいました。


会場付近には、何十台もの観光バスが集結していて

大勢の観客たちが続々と建物の中に吸い込まれて行きます。

欧米からのお客さんが多かったです。



「時空の旅」


「それではどうぞ、楽しんでください。またお迎えに来ます」

正面入り口まで同行したY氏はそのまま戻って行きました。

もうすでにお子さんと来たことがあるのだそうです。



VIP入口から階下に降りて行き、席を探します。

なんと、球形の劇場の正面最前列の席!



そう言えば、車の中で言っていたっけ。

「頑張って、いい席を取りました」

Y氏の奮闘ぶりに日本人二人は恐縮するしかありませんでした。



「雑技団」と聞いて、サーカスのすごいやつ、を想像していたのですが

ずいぶんと近代的な演出になっていてびっくりしました。


日本にも時々ラスベガスからやって来るのがありますよね?

ちょうどあんな感じです。







超軟体芸と言うか、究極のクネクネ芸、そしてぶら下がる

何かを放り投げ信じられない体勢で受け止める

あるいは空中ブランコ的な芸。

そして大勢で飛んだり跳ねたり、くぐったり。


回転する丸い枠の中で上に行ったり下に行ったり



丸い檻の中でグルグル疾走するバイク。


最終的にこの檻の中に8台のバイクが入りました!


どれもこれも確かに目の前で見ているとハラハラドキドキ。


けれども、この雑技団の主役は・・・一人のおっさんでした。



とにかく重そうな壺を天井に届けとばかりに放っては

それを首の後ろで受け止め、おでこを使って回し

両腕を転がして行きます。



ツルピカのおっさんが延々とそれを繰り返す

一見地味〜な出し物なんですが・・・

それが一番見ごたえがあったのも事実でして


おっさんはおっさんだけれど華があった!

目力もすごく、型を決めて見得を切ると

こちらもついつい拍手してしまうのです。

その眼力たるや、杉○太郎も海○蔵も一目置くに違いない。

それくらいの年季と迫力とを感じさせる眼差しに脱帽でした。



全体として十分楽しかった。大変面白かった。

手に汗も握りました。

ただ・・・残念ながら、7対3でラスベガスの勝ち・・・かな。


大がかりな装置や火や水や音を駆使し、洗練された演出で魅せる

そんな舞台はあちらに任せて、もっと大陸的な昔ながらの圧倒的な技量で

堂々と勝負してほしかった・・・そんな風に感じたemihana でした。



それでも、何しろかぶりつきの席でしたから

アンコールでおっさんが真ん前に立って見得を切った時には

思わず視線を逸らしてしまったほどです。




「最高の席でしたよ。ありがとうございました」

車内でさっそくY氏にお礼を述べました。

「そうですか、それはよかったです。明日はあいにく雨みたいですが

蘇州の方にご案内します。蘇州は雨での中で見る景色も素晴らしいところですよ」

「ほほう・・・それは楽しみです。どうぞよろしくお願いします」


そんな会話を交わして別れたのですが、その時、まだ

emihana とお父さんは知る由もなかったのです。


何事であれ、この国を甘く見ているとどんな目に合うのか。



この続きは次回

「嗚呼、蘇州は涙雨にけむり、鐘の音さえも金次第なり寒山寺」


をお楽しみに〜。



ハードル上げすぎじゃない?