こんにちはだ。
おら、きく だす。
日陰でしばし休憩のおらだべ。
でっかく育ったおらん家のツバメどんたちだぞ。
もういつでも飛び立てそうだな。
だけんども、一羽だけがどーにもおチビでな
おとうもおばばもおらも、ハラハラしてたべさ。
おらも、おんなじ四兄妹で生まれて
おらだけが、目立っておチビだったからか
何だか他人のような気さしなくてなぁ。
早くみんなに追いつかねーと
置いていかれちまうぞい、って
応援してたんだべ。
ある朝、兄弟だちがいっせいに飛び立っただ。
おチビはまだまだチビのまんまだ。
巣の中でひとりぼっちだ。
それでも時々は入れ替わり立ち替わり
兄弟たちが帰って来てたし
夜には、おチビを守るみてーに
いっしょに寝てた。
親だって、せっせとエサさ運んで来てただ。
そんな様子を見てたおらたちは
なんとか家族揃って南の国さ
帰ってほしいもんだなぁ、って
ほんとに願っていただよ。
だけんどもある朝、おチビは巣から落っこちて
その願いは届かなかっただ。
しばらくは一生懸命鳴き声さ上げて
みんなのことさ呼んでたべさ。
おばばが朝のお日様が一番先に当たる
つつじの根元に、ちっちゃくて軽い
おチビの体をうめてやって
今すぐみんなのところに飛んで行きなさい
そう話してたべ。
バイバイはいつだって寂しいな。
来年きっと、またみんなでやって来てくれよな。
待ってるかんな!