はなの旅立ち 1

こんにちは。emihana です。


はながあちらの世界に旅立って12日が経ちました。



今まで、はなの最期の様子を書こう書こうと思いながら

記憶が断片的だったり、時系列がおかしくなっていたりして

上手く書けそうにありませんでした。

たださすがにこれ以上時間が経つと、記憶そのもが抜け落ちたり

歪んだままになってしまいそうなので、そろそろ書いておこうと思います。



5月の25日土曜日の朝、はなは目を覚まして起き上がるとすぐに

確か、テーブルの足を軸にして、グルグルしだしました。

最後の五日間の始まりでした。


それは明らかに、それまでのグルグルとは違っていて

スピードも異様に速く、俊敏で、何やら一生懸命に、同じ場所を

ただひたすらグルグルし続けていました。

でも、その時は私もお父さんも「どうしたんだろうね〜」くらいの気持ちで

事態の深刻さには気付いていなかったのです。

と言うのも、まだ、表に出せばシッコもしていたし

ご飯も自分から食器に近づいて来て、いつもよりは少な目でしたが

一応、口を付けてはいましたから。


ところがそこから、はなのグルグルはどんどん加速度的にひどくなって行きました。

そして2日目には、もう、ご飯も食べようとはしなくなりましたし

グルグルのスピードも必死さも増して行き、他のことへの関心が見る見るなくなって

排泄も回りながらし始め、一日のリズムは一気に崩れてしまったのです。


回っていて、どこかに少し頭がつかえたり、転んだりすると怪獣のような声を出して

「回らせて〜!」と訴えます。

もちろん、呼吸は終始上がりっぱなしで、かと言って、酸素を吸わせたくても

じっとしていないし、ハウスの中でも回ろうとしてゴンゴンぶつかって危ないし

もう仕方ないと、外で回らせることにしました。


睡眠も二日目までは回り疲れると、その場に倒れ込んで数時間は眠っていましたが

その後は、強制的に横にならせても、目を薄ら開けている状態で

物音に反応していましたし、ちゃんと眠ってはいなかったと思います。

そしてすぐに、起き上がろう、回ろうと、体をバタつかせ、大きな声で鳴いては

「起こして〜!回らせて〜!」が始まるのです。


足腰もどんどん立たなくなって行きました。

たぶん、3日目にはもう、自力で起きたり立ったりはできなくなっていて

手を貸してやって、何とか回らせては横に寝かせ、またしばらくすると

鳴きだして、手を貸して立たせて、回らせて〜の繰り返しでした。

夜中ももう、寝てはくれず、一時間おきくらいに催促されていたと思います。



食事はおろか水もヨーグルトさえも受け付けなくなり

ますます激しく回りたがりました。

逆に体はぐにゃぐにゃで、首はあり得ない角度で右に曲がっていて

それでも「回る〜!」と泣き叫んでは、私たちの手で回してもらうまで

鳴き続けました。


さすがにこのままでは、どんどん体力も消耗して行くばかりで

それに、脱水症状も怖かったので、4日目に獣医さんに連れて行くことにしました。



お父さんに抱っこで、獣医さんの外で待っている時

こんな風に寝てしまったのはご報告した通りですが


この時にはもう、はなの体力はとっくに底を尽きかけていたのだと思います。

苦しかったのでしょう。心臓も肺も必死で動き続けていたのでしょう。

それでも、どうしても起き上がって、回りたかったのでしょう。

どんなにやるせなかったことでしょう。

時々大きな声で鳴きわめく声を待合室で耳にする度に

胸がぎゅうっと絞られるような思いでした。


たぶん、たとえば痴呆からくる症状だとか、前庭疾患だとか

そんなことはおそらく希望的な観測なのだろうと

口にこそ出しませんでしたが、私は内心、「覚悟を決めるための覚悟」

をしていたように思います。



長くなってしまいそうです。

とりあえず、ここまでで、いったんお終いにしたいと思います。

申し訳ありません。



お待たせばかりで、ごめんなさい