もしも私が話せたら

こんにちは。はなです。


最近はパッとした写真がなくてすみません。これは酸素を吸う私です。


赤い靴を履かされてから、私の状態は一気に悪化してしまい

それまで、痴呆の王道を進んでいる割に、まぁ何とか無事にやって来たのが

幸運だったのだと言うことをemihana もお父さんも実感しているようです。


またまた皆さんにたくさんのご心配をおかけしてしまいました。

本当にごめんなさい。

そして、たくさんの応援に心から感謝しています。

もしも私が話せたら、大きな声で「ありがとうございます!」と

叫びたいところです。


今朝、半日だけお休みを取ってくれたお父さんの車で獣医さんまで出かけました。


赤い靴以来、ご飯も食べずに狂ったようにぐるぐると回ってばかりの私は

さすがに昨日の午後辺りから、もう、自力で立ち上がることも、歩くことも

できなくなってしまいました。

だから、時々怪獣に変身してはemihana を呼びつけ

「立たせて〜!ぐるぐるさせて〜!」と命令しては

介助を要求してやり、でもすぐに息が上がってまた寝かされる

そんなことを繰り返していました。

もちろん、ご飯はおろか、薬なんかもっての外。要らないったら要らないのです。

少しのお水とヨーグルトだけは、注射器で舐めてあげましたよ。


昨日の夜だって、4時くらいまでは1時間おきにemihana を起こし

ぐるぐるを手伝わせ、それ以降は15分おきくらいにぐるぐるしました。


食べていないのに、この2日間、ろくに寝ていなかったんです。

横になっていても、うっすら目を開けて、寝息も立てませんでした。

私の脳みその中で、何かが起こっているからだとemihana は考えていたようです。


とにかく、さすがにこれはまずいと、連れて行かれた獣医さん。

予約制ではない上に先生がとても丁寧に見てくださるので

待ち時間が長いのが難点です。


3組の先客さんがいたため、外でお父さんと待ちました。

一時間近く待っている途中で怪獣の雄叫びをして、待ち合い室のemihana を
ビビらせてやりました。

でも、とうとう睡魔が襲ってきてしまい、芝生の上で寝落ちしました。

日差しもなく、風が吹いていて、すごく気持ちが良かったのです。

せっかくやっと寝られたと言うのに、やがて、診察室に連れて行かれた私の前で

先生とemihana とお父さんは色々と話をしていたようです。


難しいことはわかりませんが、小耳にはさんだところでは

・私のぐるぐるは前庭疾患から来ていないらしい(眼振がない)
・他の症状から言って、右脳に起きた何らかの疾患による神経症状ではないか。
MRIの検査を受けなければはっきりしたことは言えない。

そんな感じだったと思います。

そして、今の私に対して何ができるか、と言う事に関して

・ムリに食べさせるのは誤嚥性肺炎などを招くのでいけない。
・点滴や注射もあるが、実際には効果はあまり期待できないし心臓への負担もある。
・ビタミン剤の皮下点滴と水分補給で様子を見る。
ステロイド血栓溶解剤などを使うにしても確定診断ができない。
(emihanaたちの意向で新たな検査を受けさせないから)


つまり、時々、気休めかもしれないけれど、ビタミン剤を点滴して

後は、入院や検査や積極的治療は行わない。


そんな結論に達したようです。


先生は「終末医療」とか「寿命を待つ」とか「ご自宅でゆっくりと」

そんな言葉を使っていましたし

お父さんも「それでいいです」「これ以上苦しませることはしたくない」

そう答えていました。


もしかしたら、なぜ、もっと積極的に治療の可能性にかけないのか

そんなご意見もあるのかもしれません。

それはそれでいいと思います。


ただ、私には選ぶことができません。

私がemihana とお父さんの犬である以上、用意された道を進むしかないのです。


診察室で点滴中も、帰りの車の中でも、私は怪獣に変身し

「家に帰る〜!」「早く帰る〜!」と叫んでいました。


私は家がいいのです。入院はもうイヤです。検査もイヤなんです。


家に帰るとすぐに、眠くなってしまいました。


やっぱり、家が一番です。



もしも私が話せたら、病院なんか行かないで、ずっと家にいたいです!

きっとそうお伝えすることでしょう。


写真は2年前の私です。ちょっとカッコつけたくて

昔のちゃんとした私でおいとまです。