ちびemihana 5歳
桜花幼稚園 ふじぐみ。
構図、色彩バランス、筆致
どこを取っても、その画風はいたって大胆だが
闊達と言うよりむしろ恐れ知らず。
一見どーでもよい部分をこそ描ききろうとする姿勢は
後に開花することになる天邪鬼精神に通ずる片鱗を
既に感じさせずにはおかない。
作品No.1
「ことりがたまごをうんでいるところ」
とにかく、たまごがグロいです。
っつーか、鳥は青いし脚は電柱並みの逞しさ
その上真っ赤っかとは。
いくらウサぴょん添えてみたところでねぇ。
そもそも、ことり感ゼロ。
作品No.2
「えんそく でんしゃがはいってくるところ」
えーと、で、電車はどこ?
と思えば、右の方の黒いぐじゃぐじゃ?
それなの? え? で、左にある
赤いカーテンレールみたいなのがレールなのか。
車輪だけが先に到着したのかと思いました。
サイケデリックな蝶々が強引に
画面を引き締めてますね。
作品No.3
「ぶれーめんのおんがくたい」
主役を描かずして、かの有名な物語を伝えようとする
気概は買います。
鶏一羽描くほどのサービス精神もないようです。
にしても、カツラを脱いでやさぐれてる
ピエロみたいな左の人物。
ぽっかり空いたその眼窩から目を逸らすことが
できなくなりました。
作品No.4
「にっくいさるめとかにどんたち」
にっくい猿めと 蟹どんたち
つまり、「猿蟹合戦」ですね。
それで、ヒールであるところの猿のみを描く。
蟹どんたちの描写は皆無。
それはいいとして、何かこの猿たち
妙にポップじゃありません?
孫悟空的なコスチュームだってラブリーな感じ。
柿を横取りしたのも、つい出来心だったんでしょ?
何もあんなによってたかって叩きのめさなくても。
画伯が描きたかったのは、まずは話し合いで
と言う民主的な基本姿勢だったと
思えなくもありません。
作品No.5
「えんそくでやまにのぼった」
アバンギャルドな遊具で遊ぼうとしてる子どもと
遊具にもたれて、現実逃避してる人に見えました。
一度見えてしまったら、もうそうとしか見えません。
作品No.6
「あくまがあたまの中にいる」
5歳児なのに。 怖っ。
寸評不能です。
作品No.7
「あとむ」
造形的には、アトムと言っても差し支えない。
ないんですが、血走った両の眼から
2本のハンマーが突き出してるみたいです。
アトムが目からだすのはビームだったはず。
胸のパカって開くところの辺りから
血が滴っている割には上がり眉だし
闘う気だけはありそうですが
このアトム、誰と闘っても
たぶん秒殺間違いなし。 弱そう。
なんて、変てこな絵ばかり並べて
ふざけてしまいましたが
暑さで頭がイかれたわけではないですから
どうぞ、ご安心くださいね。
大掃除中、お父さんが発掘したあれこれに
こんなのが紛れてまして
パラパラめくっておりましたら
何だか可笑しくてひとりで
ついニヤけていた次第です。
子どもって、やっぱり自由ですよね。
自由だから、面白い!
時あたかも夏休みで、どこも子どもだらけ。
みんな、思う存分自由に楽しんで〜と
珍しくちょっと応援したくなった
emihana だったのです。