emihana 上海に立つ その7

こんにちは。 emihana です。



と言うわけで、上海4日目。


観光はこの日でおしまい。

またまた朝9時半にY氏が迎えに来てくださり

市内観光へと向かうことになっていました。


前日の雨中強行軍の疲れもコードネーム11番

ゴッドハンドお姉さんのリンパマッサージのおかげで

ほとんど感じられないほど回復。

久しぶりに熟睡した満足感で目を覚ましたemihana のもとに

別の部屋で寝ていたお父さんが何やら青白い顔して入って来ると

力ない声で告げました。


「お腹壊して、夜中何十回もトイレに行ったから

全然寝てないんだけど・・・」


「ええっ?」

起き抜けの頭を巡らせてみたものの

emihana もほとんど同じものを食べていたはずですが

その時点で、何ともなく・・・

強いて言えば、お昼の日本食屋さんではお父さんはカツカレー

emihana は天ぷら定食を食べていたのですけれど・・・


食べ物のせいではないのかもしれません。

あるいは雨の中歩きまわって、冷えてしまったか。

などと話し合う間も

「あ、また・・・トイレ・・・」

部屋を飛び出し、トイレに向かうお父さん。


これではさすがに観光は無理と判断し、泣く泣くY氏にメール。

大変申し訳ないけれど、午前中の予定はキャンセルして

午後から、お土産を買う場所にだけ案内してくださいと。

すでに準備を始めているであろうY氏の落胆を思うと

メールを打つお父さんの顔もますます冴えません。

でも、まぁ、こればっかりはねぇ。


Y氏からは早速返信がありました。

「昨日雨の中私が連れ回したのがいけなかったのかもしれません。

どうぞゆっくりお休みください。3時にお迎えに伺います・・・」

ああ、そうじゃないんですよ、たまたまですから〜

何だか本当に恐縮してしまいました。


で、お父さんは日本の薬を服用し、そのままベッドへ。

午前中はゆっくり休んで、何とか回復し

改めて3時に出発の運びとなりました。



まず向かったのは、古い町並みの残る界隈







お目当ては田子坊(泰康路)

※ 黄色い看板に今、3250人がこの場所に入っていると書いてあります。

 人の出入りをセンサーでカウントしていて、5000人に達したら

 規制されるのだそうです。

 何年か前、春節の花火の開催時、観客の将棋倒しが起こり

 死傷者が出てから、人の多く集まる場所ではこうして

 人出を管理するようになったとか。



この場所は迷路のように続く細い路地に、若手デザイナーのショップや

おしゃれなカフェ、ユニークな雑貨店などが軒を連ねている

裏原宿的な(行ったことないけど)一角で

「上海のソーホー」とも呼ばれているようです(そっちも知りませんが)



迷路のような地図


古くからあった倉庫や工場の建物を再利用して小さな店が

ひしめき合っております。





広州ではお目にかかったことのないようなお店がいっぱい


レトロモダンな化粧品屋さん


お土産物屋さんも何となくこぎれいなディスプレー


伝統的な切り絵もアートと言うコンセプトで売ってます


よく見れば、特にアーティスティックってわけでもなさそうですが




何とかすれ違えるくらいの幅しかない通路に沿って

食べ物屋さんもいろいろありましたよ。




でも、どうにもこうにも狭くて人が多くて

何かを食べながら歩くのは至難の業。



雑貨や茶器などもかなり洗練された品揃えで目を引き

つい立ち寄ってみたくなります。

emihana もここでいくつかお土産を購入しましたが・・・

値段はやはり高いですね、そして値引きなし。

ここは外国人も多いので、あくまでも強気です。

地元の人もここでは値切らないみたいですね。


それから・・・これは大きな声で言えないことなんですが

「上海人は金儲けばっかり」だの「上海人はお金にきたない」

などと・・・ほかの土地の人たちからはそんな評判が

聞こえて来るのです。


大昔から海外との貿易で栄えて来た大都会ですから

事実、お金儲けも上手いのでしょうし

よその土地からのやっかみもあるのかもしれません。



再び表通りに脱出して、思わず大きく深呼吸。

お父さんのお腹も大丈夫そうです。


さて、次に目指したのは・・・



高層ビルの立ち並ぶスポット。


これは日本のMビルが建てた上海環球金融中心



ここには展望台があるのですが、Y氏いわく

「お金を払っても人がいっぱいですし、ゆっくりできませんから

あっちのホテルに行きましょう」


すぐ横に立つホテルを指さします。



ホテルのラウンジに入り、お茶を飲みつつ

日が暮れるのを待つ作戦のようです。(バカ高いお茶)



・・・にしても、PM2・5的な何かが窓ガラスにびっしりと・・・

※有名なシンボル「東方明珠塔」(テレビ塔




周囲を見渡せば、ヨーロッパ系の外人さんや中国人富裕層たちの姿が

ここはホントにあの国か・・・と不思議な気分になるほど

何ともスノッブな空間ではありました。



次第に日が傾くと



窓の汚れも目立たなくなり



外灘のあちこちにぽつぽつ灯がともり始め



やがて、見事な夜景が現れます



左下に見える明るい場所がいわゆる「租界」(外国人居留区)の辺り。

外国風の古い建物が立ち並び、遊歩道も整備されて

たくさんの人が訪れる場所です。


確かに眼下に広がる夜景には文句の付けようもありませんし

供されたお茶も格調高い香りがするような気もします。

優雅に夕闇に包まれ行く外灘(バンド)の景色を眺めつつ・・・


だけど・・・emihana の頭の隅っこにふと浮かんだのは

「馬鹿と煙は高いところに昇りたがる」



なぜ、どうして、そんなフレーズが浮かんだのか

今はもう定かではありませんが、たぶん、泰然と下界を見下ろす

そんな器じゃない人間の負け惜しみの呟きだったのかもしれません。



器じゃない2人



この後、器じゃない2人プラス情熱ガイドのY氏の3人は

エレベーターでさっさと下界に降り立ち地に足を着けて

本来のポジションに戻った安心感を抱きながら

上海最後の晩餐を取るべく、日本人駐在員御用達の

「日本風中華屋さん」に向かったのでした。



メニューもみんな日本語です。



小さな器に盛られた料理はいかにも日本人好みの味付け。

※ 紹興酒に浸かったウズラの卵が美味しかったです。


北京ダックならぬ、北京チャーシュー。



Y氏も美味しいと召し上がっておられましたが

「日本の方は残さないのがお行儀いいんですよね」

きれいに平らげた後のお皿を見て、何やら寂しげな表情。

「中国人は大皿に食べきれないほどの料理をたくさん並べて

それを残すのがいいんです。もし、お皿が空になっていたら

もっと料理を頼みます」


「こじんまり、を目指す日本」

そして

「これでもか、を目指す中国」


いかにも「小日本」と「大中国」の文化の違いそのものではありませんか。

(と、強引に言い切ってます)


ちなみに「小日本」(シャオリーベン)はとても侮蔑的な言葉ですが

日本人には今一つピンときませんよね?

だって、日本は小さい国だと、自分たちでもわかってますもんね。


「そう言うの、島国根性って言うんだよ」

すっかりお腹が良くなったらしく、ガツガツ食べ続けるお父さんは

さもおかしそうに言いました。


ちょっと・・・そんなことより、お腹、大丈夫なの?

少しは節制しなさいよ。腹八分は?

「いやいや、もう全然何ともないから」

まるで中国人富裕層並みに出っ張ったお腹を擦るお父さんは

案外、この国に向いているのかもしれないなと

一人ほくそ笑む emihana でした。



この店からマンションまでは歩ける距離です。


歩行者天国の遊歩道、両側にはいろんな店が並びます。



寒からず暑からず、遊歩道を気持ちよくそぞろ歩いていると


おじさんとそのすぐ横を二足歩行でピョンピョン飛びながら進む

一匹のわんこが。



「可愛い〜」と声を掛けると

おじさんは黙って、その子を指鉄砲でバ〜ンと打つ真似を

すると、その子はコロンと横になって死んだふり。


他にも、くるくる回ってダンスしたりと、とても芸達者。

名前を聞いたらベティちゃんだと言うので、たぶん女の子でしょう。


おじさんはその場でいくつかの芸をさせると

また二足歩行をさせながら、静かに去って行きました。



初めは一瞬、お金を取るのか?と身構えましたが

そんなこともなく、あくまでも芸達者な我が子を

見てほしい普通のおじさんなのでした。




何だかあっと言う間の4泊5日。

とにかくひたすら中身の濃い上海滞在。

こうして無事に全日程を終え(お父さんの腹痛騒ぎはありつつも)

翌朝の飛行機でバビュ〜んと日本に戻った emihana でした。




海浦東空港は広い!



お世話になったY氏と。本当にありがとうございました。



そして、長々とだらだらと書き綴った上海滞在記に

お付き合いくださった皆さん、やっと終わりです。

ほっとしてください!


非常感謝!


次回からはまた、はなの独り言に戻りますので

どうぞ遊びにいらしてやってくださいね。





え? ・・・私の出番?