90年

こんにちは。 はなです。


今日は私のお話ではありませんが


特別な日なので、お付き合いくださいね。



今日で emihana のママさんが90歳になったんです。



90歳ですよ〜!

ちょっとすごくないですか?


私だって、偉大な先輩方と比べるから、そうでもない気がしていましたが

こちらに来てから「どれくらい、あっちにいたの?」

そう聞かれて「16年8か月ですよ」と答えると

たいていは「へぇ、すごいね〜」と言ってもらえるんです。


だけど、人間の90歳って言ったら、ワンコの16歳8か月より

すごいですよね、たぶん。



前にも emihana がお話したことがあったと思いますが

ママさんが認知症の診断を受けてから、もう1年以上経ちます。


ママさんの病気はとても進行が早いらしく、しかも高齢での発症なので

一気に寝たきりか!と能天気おばさんの emihana もさすがに

背中にたっぷり冷や汗を掻いたとか。


それから1年2か月の時間が流れて、もちろんママさんの状態は

階段状に下って行きました。


そして何度目の「ガクッ」だったか、去年の年末から

また一気に病状が進んでしまったようです。


とても波があるものの、ママさんのできることはどんどん減って

パパさんも一喜一憂しながら、色々なことを少しずつ諦めて行く

そんな毎日を過ごしているらしいのです。


それでも皆さん、大正生まれを舐めてはいけないのだそうです。

ママさんは寝たきり一歩手前で、踏み留まっていますよ。

朝、いや、時には昼過ぎになっても、とにかく起こされ

どんなに時間が掛かっても、立ち上がって、トイレに行き用をたし

リハビリパンツを穿き替え、着替えて食卓に着き食事を済ませて

薬を飲んで・・・

もちろん、すべてemihana かパパさんの介助なしに

一人ですることはできませんが、それでも、意地悪娘 emihana に

「このままだと、寝たきりだけど、いいの?」と脅されると

「絶対にいやっ」そう言って、何とか起き上がり、自分の足で歩こうとします。



側で見ている私も「ママさん、頑張って!」と思わず手に汗を握って応援です。


だって、ママさんは子犬の頃から、私をとても可愛がってくれましたから。



一緒にお留守番だって、たくさんしたし


オヤツをくれたり、おもちゃで遊んでくれたり


私は元気で明るいママさんが大好きでしたよ。



今のママさんは色々なことを忘れてしまって、見たくはないものや

おかしなものを見て、時には混乱してしまうので

本当に気の毒だなと辛くなりますが、それでも

「はなのことは覚えてるでしょ?」と、emihana にたずねられて

「当たり前じゃない」とか「覚えてるわよ〜」と答えてもらうと

すごくうれしいし、たとえ私のことがわからなくなっちゃったって

ママさんはママさんだから、大丈夫ですって、教えてあげたくなるんです。



emihana がいつも言うように、明日どうなるかは誰にもわからないのでしょう。

でも、できないことを数えてもしょうがないから、今のママが

少しでも快適に危なくなく過ごせることを考えるべきだと話す

emihana の言葉は、珍しく当たっているのかも、と思っています。


とにかく、パパさんとemihana と一緒になるべく長くこのまま

自分の家で過ごしてほしいって、私も心から願っているのです。



内緒のおまけ


そんな一見健気に頑張るemihana ですが・・・

「ああ、同じ介護でも、はなは可愛かったなぁ。小さかったし。

 憎まれ口も聞かなかったし・・・それに比べて人間は・・・」

とぶつぶつ言っていることは、ここだけの話にしてくださいね。



ママさん、お誕生日おめでとう!