一枚の写真

こんにちは。 はなです。


澄ました顔して登場〜。



emihana 家のリビングには私の写真が2枚あるのですが

その内の一枚を見るにつけ、emihana は言います。

「この写真が一番好き」


それがこれ。




確かに悪くはないと思うのですが、何しろデジカメで撮ってないし

すっきりくっきりリアルな今の画像と比べてしまうと

どうにもぼや〜っとして、ぱっとしないように見えませんか?


だけどemihana いわく

「はなの一生の中で一番元気で毎日楽しくてしょうがなかった
 そんな時間だった気がする」

だ、そうです。


そう言われてみると、とても楽しそうだし、なんだかすごく

リラックスしているのは間違いなさそう。



ええと・・・思い出してみると、この写真はアメリカのナッシュビルと言う

地方都市に住んでいた頃のもので、私はたぶん5、6歳でしょうか。

脂が乗り切ってる時期ですね、犬としては。


そしてこの時は郊外に足を延ばしたんです。

私をまるで自分の家の犬のように可愛がってくれたemihana のお友だちの

Yさんと一緒でした。


Yさんはお隣の国人で、emihana と同じ年、大学病院のお医者さんのご主人が

ナッシュビルにある大学に研究にいらしていて、すぐお隣のアパートに

一人息子のJ君と3人で暮らしていました。



emihana とは教会の英会話教室で知り合い、あちらから声を掛けて来て

くれたそうです。



Yさんはとっても美人さん。


お見せできないのが残念ですが、一緒に歩いていると、後から


「あのすごくおきれいな人は誰だったの?」

よくそう聞かれたみたいです。


そんなYさんのことをemihana は

「神様が愛嬌と無邪気さをちょこちょこっとブレンドして
 美人の上にぱらぱらっと振りかけた」

とか、言っていましたよ。私も良いたとえだと思います。


さらに、朗らかで優しくて正直なYさんは

「世界良い人選手権があったら、間違いなくD市(Yさんの出身地)代表に
 選ばれるくらい、良い人だ」

とも言っていて、そっちの方もまた、確かなことだと私が保証したいと

思います。


Yさんは私を本当に可愛がってくださって、毎夕、お散歩の時に

Yさんの家のドアをノックすると、YさんとJ君が顔を見せて

オヤツをくれてたくさん撫でてくれました。


Yさん一家が旅行に出ていた時、私はいつものようにYさんの家を目指しました。

「ちょっとぉ・・・今、Yは旅行に行ってるの。いないんだからね〜」

emihana はぶつくさ言って面倒臭そうについて来ます。


けれどYさんの家のドアの前まで来た私とemihanaはドアノブに掛けられた

ビニール袋を見つけたのです。

「え・・・もしかして、これって・・・」

その袋を手に取ったemihana はびっくり。

そこにはメモが貼ってあり・・・

「emihana へ。ここにはなへのオヤツが入ってますから、毎日少しずつ上げてください」

と書いてあったそうです。


私がさっそくオヤツを頬張ったのは言うまでもありませんが

やっぱりちょっと不思議な感じで、オヤツを食べ終わってからも

帰ろうとしませんでした。

だって、YさんもJ君も出て来なかったんですから。

「帰らない〜、まだ2人に会ってない〜」

と踏ん張る私をなだめすかし、無理やり引っ張って家に帰る道すがら

しかし、こんなに良い人がいるものか・・・Yさんの心の温かさに

呆然としたのだと、後からemihana は話しました。



・・・と言うYさんと一緒に出掛けた写真の場所はある大学のキャンパスで

そこは広々として、私の大好きな落ち葉がぎっしり。

空気も澄んで、風もなく、暑からず寒からず。

そして私は若かった。元気一杯でした。


今思い返しても、あの日は私にとって、とても清々しい

満ち足りた一日だったのです。



リビングに飾ってあるもう一枚は、お馴染みかも知れませんが


プロフィールにも使ってるこれです。



私としては、こっちの方が写りも良いし気に入っているんですが

「写真って言うのは写りの良さだけでは語れない・・・
 やっぱり、思い出とか遡る時間の長さとか加味されて・・・」

とか何とか、誰かさんがまた知ったかぶりを始めたので

今日はこれくらいにしておきますね。




おまけ:舌だし連続写真


これが


こうなり


こうなって



こうなる・・・でも、舌は引っこまず